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本会議 総理の訪米報告について代表質問

2015.05.15

15日の衆院本会議で質問に立ちました。
安倍首相の訪米報告に対してです。
冒頭で「戦争法案とも言われる」というくだりを始め、7割以上怒号の中で話した感じです。

以下、質問全文です。
「総理訪米報告に対する質問」

私は民主党・無所属クラブを代表し、また昨日「戦争法案」とも言われる安保法制が閣議決定されたことに不安を持つ多くの声を受けとめて、ただいま議題となりました安倍総理大臣の訪米報告について、質問を行います。

今回の訪米で安倍総理は、日本の総理大臣としては初めて、米議会上下両院合同会議において演説をされました。演説では、日米関係を「希望の同盟」と呼び、「アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこう」と述べ、日米
関係の蜜月ぶりを強くアピールしようとする意図のものでした。しかしながらその内容は、全般的に、前のめりの演説内容であった感が否めません。

とりわけ今回の安全保障法制について、「戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます」と約束したことは、前のめり、上滑りの最たるものです。いうまでもなくその時点においては、安全保障法制について閣議決定もされておらず、条文
の内容も明らかにされておりませんでした。わが国の国会に対して、法案の内容についてきちんとした説明がされていないにもかかわらず、外国の議会において、その成立について約束するなど、言語道断、見当違いも甚だしいではありませんか。安倍総
理の視線はいったいどこを向いておられるのか、我が国の国権の最高機関である国会を飛び越えて、遠く海の外を向いておられるようにしか思えません。日本の総理大臣としての則を、完全に超えてしまったと言わざるを得ません。なぜ外国の議会でこの
ような約束をされたのか、安倍総理は、3回の選挙で公約として約束してきたとおっしゃるが、私が選挙を通じていただいた声は、その方向を危ぶむ声であり、世論調査においてもその懸念が表されています。その経緯を含め、きちんとした説明を求めま
す。

また総理は演説において、「国際協調主義に基づく、積極的平和主義」という言葉を用い、「日本の将来を導く旗印」になると言われました。しかしながら、総理の言われる「積極的平和主義」という言葉に、私を含め多くの国民は、言い知れぬ違和感と、不安を感じています。
軍事力で威圧し、紛争が起これば武力で対処するのではなく、紛争の原因をなくす最大の努力をしようとするのが日本国憲法の立場です。飢餓、貧困、人権侵害、差別、環境破壊といった構造的暴力をなくし、平和的に生存する世界を作り出すために積極
的な役割を果たすことこそ、日本が行うべき具体的な真の平和主義であり、平和創造だと考えます。

なお演説では歴史認識について、「先の大戦における痛切な反省を胸に、歩みを刻み」、「アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」と述べる一方で、従来の村山談話や小泉談話等で用いられた「侵略」や「おわび」という文言については、結局用いられることはありませんでした。私は、苦しみを与えた事実を認識してそれを反省することと、当事者に向かってそれをお詫びすることは、異なることだと考えます。反省を胸に刻むだけでは、気持ちやメッセージは伝わりません。このことについての総理のご見解をお尋ねします。

また、今夏に予定されている戦後70周年談話においても、同様に、「侵略」や「お詫び」という言葉を使うおつもりは無いのか、お尋ねいたします。明快にお答えください。

さて、今回の訪米にて安倍総理は、日本国内にて議論や理解が十分に整ってない事柄について、米国に無責任な約束をし、過剰な期待を抱かせてしまったのではないかと、危惧しております。そのさらなる例が、今回の総理訪米に先立ち合意された新日米ガイドラインについてです。新日米ガイドラインにおいては、「日米両国は、アジア太平洋地域及びこれを超えた地域の平和、安全、安定」のために主導的役割を果たすとされました。しかしながら、我が国の自衛隊は、装備や人員、予算等の点で、これらに対応できるだけの余力といったものを、もちあわせているのでしょうか。PKOだけでも相当な負担となっている現状に加え、グローバルな他国軍支援など、全世界的に自衛隊の活動範囲を展開することは行うべきことなのでしょうか。また、はたして現実的にどこまで可能なのでしょうか。我が国の領土・領海を守る任務をおろそかにする訳にはいきません。過剰な期待を米国に抱かせることは禁物だと考えますが、このことについての総理の見解を伺います。

一方、日米関係を支える沖縄が直面する苦難について、総理はどれほどの決意をもって、今回の訪米で米国に実態を伝えようとしたのか、その姿勢に関して私は疑問を感じます。総理のご祖父(そふ)であられる岸信介(きし・のぶすけ)総理大臣は、58年前の訪米時において、沖縄返還問題について、米側に対し「すぐにでも返還してくれと国民感情を代表して強く主張した」と、自ら語っておられました。いっぽうで安倍総理は、今回の日米首脳会談において、沖縄における基地負担に苦しむ沖縄県民の感情を、米国側にどこまで切実かつ真摯に、説明をされたのでしょうか。今回の日米首脳会談において、沖縄の基地負担軽減について、米側とどのようなやり取りがあったのか、普天間飛行場の5年以内の運用停止の件も含め、具体的に説明願います。

核兵器不拡散条約(NPT)に関する日米共同声明では、「日本と米国は、核兵器のない世界の平和と安全の追及及びNPTへのコミットメントを再確認する」ことが示されるとともに、「広島及び長崎の被ばく70年において、我々は、核兵器の使用の壊滅
的で非人道的な結末を思い起こす」と明記されました。我が国は唯一の被爆国として、核軍縮や不拡散について、米国とともに世界の先頭に立って取り組みを続けなければなりません。このことについて、改めて総理の決意をお尋ねします。

今回発表された日米共同ビジョン声明では、「かつての敵対国が不動の同盟国となり、和解の力を示す規範となっている」と記されました。日米関係は日本外交の基軸であり、今後も、これまで以上にますます深化・発展させていかねばなりません。ただし今回の安倍総理の米国訪問では、軍事的協力の側面ばかりが強調された感が否めません。その一方で、かつて敵対または植民地支配の対象となったアジア諸国のなかには、依然として我が国と必ずしも良好な関係とは言い難い面も残されています。日米共同ビジョン声明にあるように、「世界に和解の力を示す模範」となりうるのであれば、米国と同様に、これらアジア諸国とも不動の友好関係を築く必要があると私は考えますが、このことについて最後に総理のお考えをお尋ねして、私の質問を終わります。