194号/2025年7・8月号

田島まいこ参議院議員と街頭で活動。

6月22日、石破政権が衆院で少数与党となる中で臨んだ緊迫の通常国会が閉会しました。参議院議員選挙に向けた抱負などを近藤昭一議員に語ってもらいました。

拝啓 いつも会報を読んでいただきありがとうございます。第217回通常国会は、緊迫のなか、6月22日に閉会しました。内閣不信任案は提出しないという判断となりましたが、しっかりと参院選で政権に対する信を問うていきます。
今国会は、昨年の総選挙で衆議院における与党の過半数割れで、大きな変化が起きました。予算委員長を含み6つの常任委員会で立憲民主党の委員長が誕生し、近藤昭一も環境委員長に就任しました。そして、2025年度予算については、衆議院で災害対策費の増額修正が行われただけでなく、参議院で高額療養費制度の限度額アップを止める修正案も可決されるという現憲法下初のことが実現しました。ただ、参院選挙を控え、「高額療養費」の個人負担増額には一旦ストップがかかりましたが、参院選挙後にあらためて増額の動きが出て来ると思われます。参院選の結果が大きな意味を持ちます。公立病院の病床削減、訪問介護への予算配分減額など、近藤昭一が主張する「医療の平等」を守るため頑張ります。
なお、6月13日の参議院本会議で年金改革関連法案が可決・成立しました。立憲民主党は、「基礎年金の底上げ措置」など、どの年金制度でも等しく安心して暮らせることを目指した修正案を提起しました。一部野党からは批判もありましたが、就職氷河期世代をはじめとする、年金が明らかに減る状況に対する必要な修正でした。
さらに、国会最終盤には、「物価上昇のなかで国民の生活を守れ」と、野党7党は、ガソリン税の暫定税率を来月廃止する法案を衆議院に提出しましたが、与党側は審議入りさえ難色を示したため、法案審議を進めない財務金融委員会の井林委員長（自民党）の解任決議案を提出し、本会議で可決されました。衆議院で委員長の解任決議案が可決されたのは現憲法では初めてでした。「ガソリン暫定税率廃止法案」は、衆議院本会議で可決され参議院に送付された後、異例の土曜日開催で、参議院財政金融委員会で質疑が行われましたものの、残念ながら、参議院財政金融委員長は採決を行うことなく散会宣言し、立憲民主党はじめ野党4党は委員長の解任決議案を提出し対抗しましたが、最終的に廃案となり国会は閉会しました。審議しながら採決しないというのは、議会制民主主義にもとる行為です。
この国会で成立が期待された「政治資金規制法改正」「再審法改正」「選択的夫婦別姓法」は、与党が成立を拒み実現しませんでした。夏の参院選挙では、「改革」を拒む自民党政治にNOを突きつけて「まっとうな政治」を取りもどすために頑張りましょう！

2025年7月1日

憲法記念日の5月3日、小松市の知り合いが田植えをするというので、参加させてもらった。初めての田植え経験で、トラクターの運転はどうかとのいきなりの提案に驚いたが、大変勉強になった。米価の問題が連日報道されているが、農業を需要と供給という経済論理に任せきってしまうのは問題だと思う。食料安全保障の上でも、国がしっかりと関わることが大切だ。

6月19日、私が副会長を務める超党派空襲議連（平沢勝栄会長）総会に出席しました。議連としてまとめた「特定空襲被害者に対する一時金の支給等に関する法律案」は、自民党内がまとまらず、この通常国会での法案提出は断念しました。
しかし、これまで要綱だったものが衆議院法制局の審査を経て初めて正式に法案になったので（今国会中、何回も打ち合わせを行ない、意見交換しました）、この法案の内容と意義を広く知ってもらうために、マスコミフルオープンで開催しました。
私自身は、初当選以来ずっとこの問題に取り組んでいます。2016年に101歳で亡くなられた杉山千佐子さんが、ずっと、この法案の成立を目指し活動してこられ、関係方面にも働きかけていました。法案の対象となる方も多くは既に亡くなられており、実際に支給を受けられるのは数千人ほどと見込まれています。戦後80年の節目の年である2025年秋の臨時国会では、必ず法案を提出して成立させるとの決意を示しました。

６月17日、ミャンマーの民主化を支援する議員連盟では、来日中のタイ下院・安全保障委員会訪日代表団と懇談しました。国境を接するタイには、古くからミャンマーから避難してきた人のコミュニティーとキャンプがあり、支援策など諸課題について意見交換しました。ミャンマーでは、軍事クーデター勃発後、民主化勢力や少数民族がひどい攻撃を受けていますが、3月28日に発生した地震被害への支援では大きな差別を受けています。中部地方では多くのミャンマー人が仕事をしていますが、本国の状況に大きな憂慮を感じています。

今国会中、超党派 人道外交議連は出来うる限りの活動をしました。重要な役割を果たす、エジプト、カタール、ノルウェーなどの大使館を訪れ、情報提供を受けるとともに、パレスチナ支援への連携を要請しました。もちろん、日本政府に対しては、石破首相、岩屋外相に直接要望を訴えました。
また、議連総会には、国際NGO、外務省、JICAなどに声をかけ、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の清田保健局長には、何度もオンラインで報告していただき、実際に会議に出ていただきました。
パレスチナ自治区ガザの保健当局発表によれば、イスラエル軍のガザへ攻撃によるこれまでの死亡者は5万5千人を超え、想像を絶する状況になっています。
薬や医療器具はもちろん、水も食べ物もない極限状況で、なすすべなく多くの命が奪われています。
5月27日には、来日中の国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）のラザリーニ事務局長と石破首相との面談を設定し、阿部ともこ衆議院議員と共に首相官邸に同行し、直接訴えてもらいました。米国トランプ政権があらゆる支援から撤退している中で、日本の果たすべき役割は大きいです。

5月27日、日独友好議連総会にドイツ連邦共和国元首相のアンゲラ・メルケル氏を迎え、「米国新政権下でのトランスアトランティック関係、対中・対ロシア政策、エネルギー転換や経済回復に関するドイツの課題」と題して講演いただきました。在任中の日本との関係で、日本の国債発行額に驚いた旨のエピソードを話されました。現在の円安の原因の一つに国債発行残高の多さが指摘されますが、アベノミクスの負の遺産であり、きちんとした検証が必要です。
ドイツは、最近は少し違ってきていますが、長く国家財政のプライマリーバランスがゼロで均衡（国債発行ゼロ）していました。また、日本の在外資産（対外純資産）は、2024年末時点、533兆500億円で、6年連続で過去最高を更新しましたが、ドイツには抜かれ、33年ぶりに世界最大の対外純資産国から2位に転落しています。

5月19日、環境委員会で福島へ参り、①飯舘村長泥地区②CREVAおおくま（大熊町）③中間貯蔵施設（大熊町）を視察しました。
住民の皆さん、自治体職員の皆さん、作業や廃炉にあたる工事関係者の皆さん、施策にあたる環境省の皆さんはじめ全ての関係者に、心から敬意と感謝を表します。しかし、放射能汚染で人が住めなくなる。
それを解除するために、汚染された土を除去しても、十分に放射線が下がらない上に、その除染土をどこへ持っていくかが大きな課題です。誰もが受け入れたくない、作業過程で各地に積み上げられた除去土を集めると、東京ドーム11個分になる。それを苦渋の選択で受け入れたのが③中間貯蔵地の位置する大熊町（②CREVAおおくまは、貯蔵地に関する情報を提供する施設）である。
汚染土を被災した福島に押しつけておくわけにいかないのであり、2045年3月までに福島県外で最終処分とすると法律で定め、その量を減らすための実験を受け入れたのが①飯舘町長泥区である。
しかし、その搬出先は、今も決まってない。使用済み核燃料の処分地もそうだが、原子力発電には解決できない課題が山積している。そして、それによって、どれほど多くの人々が苦しんでいるのか。
この視察に先立って、前週に、原発ゼロ・再エネ100の会でも福島に日帰り視察に出かけた。事故から10数年が経つ。駅から原発サイトまでの車窓から見える風景は、変わっているようで変わっていない。がれきは整理され、復興住宅なども整備されたが、空き地が目立ち、整って見える建物も使われてはおらず、人の動きはほとんどない。戻りたくても戻れないからだ。Alps処理水が12回放水されたが、海には負荷がかかり、処理で使われたフィルターは保管はされていてもその処理方法は決まっていない。原発事故の与える負荷の大きさは底しれない。しかし、誰もきちんと責任を取ることなく、処理のめども立たない中、なし崩し的に原子力発電に回帰していく。
引き続き原発ゼロを目指し、自然にやさしいエネルギー政策を提言してまいります。